当番世話人挨拶

栗山

国立病院機構大阪医療センター 放射線診断科
栗山 啓子

池添メモリアルセミナーは今年で第11回、十年一節として二節目の初回を新しい元号で迎えることとなりました。池添メモリアルとは文字通り、胸部放射線科医として志半ばで他界された池添潤平先生を偲ぶセミナーです。私が昭和時代に大阪市中之島の大阪大学付属病院で、放射線科の研修をスタートした時の助手(助教)が池添先生でした。当時は、曽根脩輔先生のもとで意気揚々と胸部画像診断の診療と研究に励まれていました。平成になり、私が老眼鏡を使い始めた頃に、胸部放射線研究会会長の池添先生にご挨拶をしたのが最後でした。「栗山さん、老眼鏡するならオシャレなのにしいや。」、「え、はい。」。以後、教えを守り、公私ともに眼鏡には某大臣以上に、こだわり続けています。

さて、今回のプログラムですが、人気の講師陣のなかでも売れ筋教科書で印税の高い先生、教育講演で解りやすいと評価の高い先生、そして、昨年の講演のなかでアンコールの声の高い先生方から、マイ・セレクトの秀逸のプログラムとなりました。トピックはもちろんAIで、これは筋金入りの玄人から話を聞くことになりますが、できるだけ数式を避けて聴衆がスリープ・モードにならないようにと釘を刺しています。ランチョンとティータイムセミナーは縦隔と胸膜病変をテーマにして、胸部画像診断を網羅しようと試みました。

勉強の合間のお楽しみとしてのお菓子は大事です。今回は、神戸と京都の一押しをお取り寄せして提供しています。参加の皆様のお気に召すと私のライフ・ワークの一つであるスイーツ・リサーチの甲斐があります。

最後に、本セミナーをご堪能いただきましたら、若手やベテランの放射線科医が今からでも胸部放射線診断に興味を持ち、池添先生が尽力された道が連綿と続いていくことを願って、世話人挨拶といたします。

第11回当番世話人
国立病院機構大阪医療センター 放射線診断科
栗山 啓子